Sweet Smell 08-09月号

学校検診における茶葉を用いた嗅覚検査

学校検診での嗅覚検査に言及するのは今回で3回目です(本稿 22年10・11月号23年6・7月号参照)。

今年は全校に対して「茶葉」で統一して施行してみました。実施する時点でその都度、担任の先生、養護教諭、対象となる生徒に打診し了解を得ています。

方法と対象
鼻腔所見がない生徒の耳・鼻・のどを見終わってから、紙コップに入った茶葉の匂いを閉眼して嗅がせて、何のにおいか官能表現で答えてもらう。男女別は無作為。
結果
松元幼稚園:5歳児がお茶と返答。
松元小学校:1年お茶、3年ゴマ。
城南小学校:1年コーヒー、2年お茶、3年お茶、5年紅茶。
山下小学校:1年お茶、2年検知のみ、3年検知のみ、5年豆。
名山小学校:結果を失念。
松原小学校:1年お茶、2年ココア、3年検知のみ、5年お茶。
甲東中学校:1年お茶、検知のみ。3年お茶、お茶。
鶴丸高校1年:女子コーヒー、男子砂糖、女子お茶、男子検知のみ。
考察
@2年前に続き茶葉のにおいが判る幼稚園児を確認→コロナ陽性患者を対象とした茶葉を用いたスクリーニング嗅覚検査(本稿23年10・11月号24年4・5月号参照)において園児も施行可能では。
A茶葉をコーヒー、甘い(ココア、砂糖)と表現する生徒が意外と多い→一方、外来ではコロナ陽性患者が茶葉を異嗅症として表現する際、「コーヒー」「甘い」と答える患者が多い。この2つの事象に関連性はあるのか。
今後の課題
事前に学校・保護者に達示すると大規模に実施せざるを得ない可能性が出てくる。幼少児は閉眼させての検査が難しい。多人数施行するとなると時間がかかる上、後続の生徒に答えが周知されてしまう。

学校検診における診断病名一覧には「嗅覚障害」はありませんが、毎年お礼の手作り感謝状(写真)を作成してくれる生徒のためにも今後も私個人で活動を続けていくつもりです。

馬術部同窓会

久留米大学馬術部同窓会が約10年ぶりに開催されました。

一緒に黒澤明監督「乱」に出演した(本稿22年8・9月号参照)三浦一秀先生が経営するあおぞら乗馬クラブはJR久留米駅から15分ほどの佐賀県三養基郡みやき町にあり、OBの先生方7名と久しぶりに再会し園内見学しました。素晴らしい緑に囲まれた馬場を見て、障害飛越をしていた頃の自分を思い出しました。

馬術部の思い出の臭いはボロ(馬糞。ボールのように丸く積み重なることから、ボールがなまってボロ)です。馬は草食なので糞便は臭くなく(芳香成分:クレゾール、フェノール)、自然哲学者のジョージ・チェインは甘い香りだと。

前日はリッツカールトン福岡に宿泊しました。全館ブラックオーキッドの高貴な香りに包まれていました。

新緑の霧島

写真は別荘、といっても家内の実家です。ポツンと一軒家なので片付けをする時くらいしか行けません。森林浴してフィトンチッド(α-ピネン、リモネン)を浴びてきました。