4年ぶりの嗅覚冬のセミナーin島根
令和6年3月2・3日にて玉造温泉ゆ〜ゆで開催されました(宿泊は佳翠苑皆美)。
写真は2次会の様子です。
- 嗅覚診療ガイドライン改訂版の進捗状況
- 都築健三先生(兵庫医大)
- 感冒後は自然治癒もありうるため治療効果が得られにくい。
気導性と嗅神経性とがデータとして混在しているため解析しづらい
- 日本における嗅覚刺激療法全国研究の進捗状況
- 奥谷文乃先生(高知医大)
- 欧米式(バラ、レモン、ユーカリ、クローブ)と日本式(バニラ、ココナッツミルク、メンソール、パイナップル)ともに改善率がともに50%ずつで差はなく、日本式の非劣性が証明された。
当帰芍薬散投与例は併用薬禁止にあたるため症例から除外。
嗅覚刺激療法単独に比べて嗅覚刺激療法+内服3種は効果が高い。
- 当科における嗅覚刺激療法症例の検討
- 斎藤孝博先生(兵庫医大)
- 治癒、軽快→改善群不変、悪化→不良群がCOVIDにおいては62%と効果あり。
当帰芍薬散内服終了した患者で治験期間終了後に内服リクエストする患者は少ない。
ドロップアウトは若年者に多く、理由なく勝手に離脱するケースが多い。
- 嗅覚過敏の実態について
- 赤澤仁司先生(堺市立総合医療)
- 嗅覚過敏のあとに月経がくる症例あり、女性ホルモンの変動が関与しているのでは。
鼻を洗ったりマスクとかのマスキングは有効か。
リスペリドン(非定型抗精神薬)、アリピプラゾール(左同)の投薬は。
- 当科におけるcovid-19後遺症嗅覚障害の症例経験
- 弘瀬かほり先生(高知医大)
- 罹患後3か月以上が対象。異嗅症は52%に見られ、若年者の方が改善が良好。
軸索のmisdirectionが原因と思われる。
- covid-19感染後の嗅覚障害:当院症例の検討
- 尹泰貴先生(関西医大)
- 長期未治療(6か月)ほど初診時の嗅覚は高度障害を呈する。平均発症時期は罹患後4日。自然回復も期待できるが、嗅覚トレーニングキット(ニールメッド社)使用の方がより奏功。
ゾコーバ投与例の方が嗅覚障害は出現しにくい。
ワクチンが普及してからは嗅覚障害は軽症例が多い。
質疑応答で当院で施行している自発性異嗅症に対する上咽頭擦過療法に触れたのですが施行している施設は無い様子でした。
幹事の坂本達則(島根医大)には深謝申し上げます。三輪高喜教授(金沢医大)が今春退官とのことで誠にお疲れ様でした。今後は都築健三教授(兵庫医大)が委員長を務められます。
また近藤健二先生(東大)が新たに教授に就任されたそうで、嗅覚が全国一大勢力となりそうです。総合格闘技&プロレスファンとして山内先生(弘前大学)、尹先生(関西医大)、広瀬先生(兵庫医大)と知り合えたのも収穫でした(笑)。
出雲大社は霧島神宮よりも更に凛とした雰囲気と、神楽殿の大しめ縄の存在感が気に入りました。
出雲そば(田中屋)は、かけ蕎麦に蕎麦つゆを少しずつかけて食べるのは面白いのですが、麺が少し柔らかいのが・・。
来年の青森も是非参加したいです。