Sweet Smell 04-05月号

第7回嗅覚冬のセミナーは湯河原で開催され、参加者はなんと約70名でした。全国のDr持参のお土産が並ぶ光景は圧巻です(写真)。休憩や宴会の時にほとんど無くなります。ちなみにさすがに浴場は大混雑で、2次会は同部屋の先生方と歓談して過ごしました。

気導性嗅覚障害の診断と治療

松脇由典先生(松脇クリニック品川)

気導性嗅覚障害の診断にDecongestion testが有用。

嗅神経嗅覚障害の診断と治療

三輪高喜先生(金沢医科大学)

内視鏡検査の際は上鼻甲介までの観察が重要。

中枢性嗅覚障害の診断と治療

小林正佳先生(三重大学)

Kallmann症候群はLHRH(黄体形成ホルモン)産生異常によるニューロンと嗅覚ニューロンとが共通発生経路なので障害される。老年性は脳萎縮があるため嗅溝にも間隙・開大がみられる。嗅覚刺激療法はにおいを嗅ぐという行為で脳血流がUPされる。

好酸球数と嗅覚同定能の関連についての検討

三國谷由貴先生(弘前大学)

GERDがあると食欲低下より低栄養状態になり、亜鉛不足より嗅覚障害を引き起こす。

感冒後嗅覚障害と外傷性嗅覚障害における臨床的比較

岡崎健先生(兵庫医科大学)

「墨汁」の正解率が高いのは対象者に女性、高齢の方が多いのに加え、順番が最初だから。

原因不明の進行性嗅覚障害例

桑田文彦先生(京都大学)

先天性疾患としてはCHERGE症候群、線毛機能不全症、ロキタンスキー症候群などがある。画像上、嗅球や嗅素を認めなくとも嗅覚を自覚することはある。

パーキンソン病患者における前向き3年間の臨床研究

藤尾久美先生(丹波医療センター)

においスティック全12種類中、特定の6種類の合計スコアが0〜1点のケースで認知症状が出現する可能性が示唆された。

ビッグデータから見た日本の嗅覚診療

石丸正先生(ひょうたん町耳鼻咽喉科医院)

北海道、石川、群馬、兵庫に加え、九州では意外と宮崎が高値を示した。

自発性異嗅症の取り扱いについて

赤澤仁司先生(厚労省医政局総務課医療安全推進室)

統合失調症も幻聴、幻視に加えて幻臭がある。自発性異臭症の性質としては煙、乾燥、甘い、酒粕などが多い。側頭葉てんかんは嗅覚伝導路が関連しているのでは。

今年もKKB(鹿児島放送)「スーパーJチャンネル」での花粉症インタビューを受けました。

それまで症状がなかった人が突然発症する理由は水の入ったコップに例えることができ、中に入っている水(アレルギーの原因物質)が次第に溜まってきて、コップ(大きさが個々の免疫力の強さ)から、あふれ出た時に症状が発現するという発症メカニズムや、内服薬は原因別ではなく症状別で存在するということ、RAST検査、舌下免疫療法などの話をしました。

撮影が1月28日で放送予定は2月5日の予定でしたが、新型コロナウイルス特集のため、無期延期の知らせが入りました。「不要不急」な花粉症のニュースを夏頃にオンエアされても・・と懸念しましたが、無事、撮影の2週間後にオンエアされました。