Sweet Smell 04・05月号

南国の恵みの一滴 ―黒酢―

焼酎、お茶と並ぶ鹿児島の代表的な香りである「黒酢」の当院セミナーを近日開催予定です。そこで今回は黒酢についての予備知識を記述します。

紀元前5000年、すなわち今から7000年前のメソポタミアで最初にお酢が作られ、ギリシャではヒポクラテスが病人にお酢を勧めるとの記録も残っています。その後4世紀頃に中国から和泉(大阪)に米酢が伝わり、その1400年後の今から約200年前に霧島市福山町の商人「竹之下松兵衛」が伝え継ぎました。

米酢は原料となる蒸した精米をホーローやステンレスなどの金属容器の中で発酵させ、約4ケ月という短い期間で完成させるのに対して、黒酢は玄米、大麦をじっくりと1〜3年もの長い時間かけて発酵・熟成します。それはアマン壺と呼ばれる亀壺に恩恵を被っています。壺自体が太陽熱を吸収して自然対流、温度調整を行うため、天然の酵母や酢酸菌の付着を促しており、黒酢が黒褐色をしているのはこれらのアミノカルボニル(メイラード)反応のためです。その結果として穀物酢や米酢がツンとした香りと酸味の強い風味であるのに対して黒酢は独特のまろやかな香りとコクのある風味に仕上がります。他に医学的効用としては活性酸素の除去、抗酸化物質の増加、食後の血糖値上昇を緩やかにすること、免疫力を上昇させる(NK細胞の活性化)ことなどが示唆されています。

農林水産省は穀物酢のうち1000mlにつき180g以上の米または、米に小麦か大麦を加えたものを原料として、褐色または黒褐色に発酵、熟成させたものを黒酢と定義しており、玄米使用を米黒酢、大麦のみの使用を大麦黒酢と呼んでいます。夏は涼しく冬は暖かいという気候や、シラス台地が生み出す良質な天然水、霧島火山帯の地熱などが黒酢の生成に適していると言え、自分が恵まれた自然環境にいることに感謝し、実りある黒酢セミナーにしたいと思います。内容は次号のセミナー報告にてお伝えします。

<参考文献>
ヘルスケア大学/黒酢と他のお酢の違いって?
福山黒酢「桷志田」/黒酢ものがたり

花粉症インタビュー

2月下旬にKKB(鹿児島放送)「スーパーJチャンネル」の花粉症特集の取材を受けました。

撮影の当日、まずは撮影場所として院長室にテレビ局の方々を案内したのですが、一瞥するなり診察室での撮影を希望されてしまいました(苦笑)。中西可奈アナによるインタビューの中で今年の飛散状況、身近な花粉対策などを説明し、嗅覚障害をひきおこすことや、今話題の舌下免疫療法も紹介しました。

オンエアでは実物よりも端正な顔立ち(?)に映っておりカメラアングルとライティングの効果を実感しました。また所々、字幕スーパーやフリップを入れたりすることで、インタビューのみよりも視聴者に理解しやすく、また飽きさせない編集内容となっており、他のニュースなども沢山ある中で撮影からわずか3日での作業に感心する次第でした。