正月に北海道(キロロ)に10年ぶりのスキーに行き、子供達は初めての体験で満足した様子でした。さて北海道特有の匂いと言えば、じゃがいも、味噌ラーメン、スープカレー、ジンギスカン、ラベンダーなどありますが、タラバガニ、毛がになどの甲殻類も代表的です。しかし時間が経つと臭くなるのは若者の魚離れの一因であり、魚肉洗浄や酸味料・香辛料・アルコール・発酵調味料などを添加するなどの消臭対策が取られています。
タラバガニの主要な揮発成分はジメチルスルフィド(dimethyl sulfide:DMS)です。これは有機硫黄化合物でキャベツの腐ったにおいと言われる悪臭成分として知られており、口臭や都市ガス(着臭)のにおい成分です。また海の潮の香りもこのDMSで、海洋プランクトンによって作り出され、あと海苔の香りもこの成分です。ベニズワイガニは部位で香気組成が大きく異なり、殻付き肉の部分ではピラジン類、3-ヒドロキシ-2-ブタノンが多く、内臓では含硫化合物が多いそうです。脚肉、蟹ミソではトリメチルアミン、1-ペンテン-3-オールが共通して検知され、また不飽和脂肪酸の分解に由来するアルデヒド類やケトン類は閾値が低いため蟹ミソの特徴的なにおいの主因と考えらえます。また加熱することにより増加するカルボニル化合物やアミン類などは茹でガニの匂いの一因となっています。
DMSが潮の香り、海苔の香りでもあるとは意外でした。確かに自宅で蟹パーティーをすると翌日は“キャベツの腐ったにおいの家”になっています。
<参考文献>
「揮発成分を指標としたベニズワイガニの品質評価」/矢野原泰士/鳥取県産業技術センター研究報告
河村康司実行委員長のもと2年ぶりに九州地方会が福岡にて開催されました。以下は特別講演、一般演題の一部内容です。新たなネットワークの広がりが実感できました。
第一薬科大学薬学教育支援センター 櫻田司先生
ベルガモット精油の主成分のリナロールに疼痛緩和作用がある。またモルヒネとの併用で相乗効果も認められたため、鎮痛剤の低用量化も期待できる。
貝塚病院 松下至誠先生
在宅医療にて桜アロマ(五泉桜セルエキストラクト)を使用したところ疼痛作用が認められた。ハンドマッサージよりも内服の方が効果があるように感じられた。
聖マリア学院大学看護学部 中村登志子先生
2017年の九州北部災害における支援活動としてアロマトリートメントを行った。自宅の泥出しによる腰痛、肩こり、腕の疲労者が多く喜ばれた。精油は主にラベンダーアングスティフォリア、ローズ、ひのき、ゆずを用いた。