大好きな人達を「パクチスト」と言うほど、最近、女性を中心にパクチーの人気が根強いようです。昨今のベトナム料理、タイ料理ブームより流行ってきたようですが、20年以上食べ続けてきた私にとってはタイ語であるパクチーという呼び名よりも香港、台湾料理での香菜(シャンツアイ)の方がしっくりきます。
パクチーはセリ科コエンドロ属で、中国パセリとも言われます。日本ではカメムシ草とも呼ばれているこの独特な香りが最大の特徴でこれで極端に好き嫌いが分かれ、圧倒的に女性に好きな人が多いようです。歴史は非常に古く古代エジプトでは紀元前1500年頃には保存料、スパイス、医薬、身分の高い人の副葬品、そして媚薬として用いられていたそうです。日本には平安時代に「古仁之(コニシ)」という名称の野菜として記録が残っているそうです。香り成分は緑の香りと言われるヘキセナール(hexenal:グリーン臭、アーモンド臭)やヘプテナール(heptenal:グリーン臭、脂肪臭)などのオキシリピン酸が主です。いわゆる脂肪族のアルデヒド臭で草刈りをした時に感じる成分と同じです。他には有効成分としてビタミンA・C、βカロテン、鉄分などが含まれています。
パクチーの精油としてはコリアンダーがあります。パクチーが生葉なのに対してこちらは種子を水蒸気蒸留させたものです。学名はCoriandrum sativum Lで、Coriandrumの語源は「カメムシ+(香りの強い)アニスの実」だそうです。地中海東部原産が主で、精油の主成分はほとんどが意外やd-リナノールです。そのため効能としては炎症の緩和、気分を落ちつける、精神安定などがあります。コリアンダーの精油を嗅いでみましたが、リナロールが主成分のためか、緑(草木、植物など)を混ぜたラベンダーの匂いがして、なるほどと妙に納得しました。
そこで今回、パクチーが美味しいとの噂のベトナム料理店に行ってきました。
鹿児島市内から車を走らせること1時間弱、お店はトタン屋根のバラック小屋です。恐る恐る中に入るとお世辞にも広いとは言えない店内にキュートなベトナム女性が笑顔で迎えてくれました。せとハウさん手作りの生春巻きと牛肉・豚肉入りフォーは付け合わせのパクチーがお皿山盛りで“清々しいカメムシの香り”でした。店外には東南アジア的調味料がずらっと陳列されており、スイートチリソースを購入し毎日使っています。少し遠いですが早速セミナーを開催しようと画策中です。
今年度(平成28年度)も日本アロマセラピー学会学術総会に参加してきました。会場は星薬科大学でした。大学構内での学会はホテル、イベント施設とは異なった雰囲気で私には新鮮です。今回は時間が無く会場には長く居れませんでしたが、前日の懇親会には参加し、今回の実行委員長の工藤千秋先生(くどうちあき脳神経外科クリニック 写真右)と、昨年の学術総会会長であった鳥居伸一郎先生(鳥居泌尿器科・内科 写真左)と写真に収まることができ、いい記念となりました。