昨年12月に日本アロマセラピー学会中国地方会が広島国際会議場にて開催されました。当日はあいにくの雨でしたが、午前中に「スティック型嗅覚検査」「鼻アレルギーにおけるティートリー蒸気吸入」を、午後より「"匂いと香りのセミナー"に見るアロマ啓蒙のコツ」「第16回学術総会予告」を講演しました。
いつもの10分〜20分と異なり、1時間の講演はスライドを準備していたとは言え、時間配分には少し苦労しました。本番になるとどうも早口になってしまうようです。しかしながら、一方通行な講演だけでなく、嗅覚検査を設けることで参加者にもニオイを肌(鼻?)で感じてもらうことが実践出来てよかったと思います。
他に宮原英二先生が「分娩時におけるアロマセラピー」、大本千佳先生が「頭頚部のアロマセラピー」を講演・実演されました。また先生方には、わざわざ書籍を持参頂いて"匂いと香りの図書館"にご協力頂きました。この場にて御礼申し上げます。
2日間でたっぷり広島の味覚を堪能しました。牡蠣フライは一見小ぶりですが中身はジューシィで、牡蠣鍋は意外と薄い醤油味、他には広島冷麺のキャベツの冷たいしゃっきり感、広島焼きの生地の薄さと麺とのバランスの良さなどが気に入りました。
さて昨年の話になりますが、私は一般社団法人日本さかな検定協会(通称・ととけん)のおさかな検定を受けました。過去問を見てナメてかかって、最初から3級でなく2級を受けたのですが、これが大きな過ちでした。
昨年度の2級問題は例年になくかなり難しくて、試験終了後も合格はあきらめて、答え合わせもしなかった程でした。しかしながら奇跡的に(?)68点をマークし、人生で一番"想定外な"試験合格となりました。
試験勉強対策としては、公式検定ガイドブック以外には、寿司屋(紫光、のむら)でのご主人との会話や、常日頃より愛読している漫画「美味しんぼ」が役に立ったと思います。以下に実際の問題を示します。
Q1体長が2m近くにもなるこの魚はさっぱりとして水分が多く、ステーキ、ムニエル、フライなど西洋料理にもよく使われています。沖縄では"マンビキ"、ハワイでは"マヒマヒ"と呼ばれているこの魚は?
(1) ヒイラギ (2) マナガツオ (3) シイラ (4) オヒョウ
2級問題ではかなり易しいレベルです。皆さんはお分かりでしょうか。答えは各自でお調べ下さい。
しかし嗅覚を専門とする私には一つ不満が残りました。そうです、魚のにおいや嗅覚にに関する問題が100問中、一つもないのです。そこで私は自分でオリジナルな設問を作ってみました。
Q2うなぎの嗅覚、うなぎ蒲焼の匂いについて、以下の文章で誤りを選びなさい。
(1) 腐敗した木の葉のニオイ、川床の石の表面を覆っている有機物のニオイはシラスウナギを強く誘引する。
(2) あさりにはうなぎの幼魚(シラスウナギ)に摂餌行動を引き起こす誘引物質(グリシン・アラニンなどアミノ酸18種類)が多く含まれている。
(3) シラスウナギの移動行動は、淡水に含まれるにおい物質の濃度(増大=引き潮 減少=満ち潮)よりも、塩度の変化(増大=満ち潮 減少=引き潮)に応答しやすい。
(4) うなぎ蒲焼の主な匂い成分として、醤油のアミノ酸とみりんの糖との加熱(メイラード反応)で生成されるメラノイジンがある。
Q3鮭の嗅覚に関する記述として誤りを選びなさい。
(1) 産卵のために母川回帰するが、これは稚魚期に記銘した川のニオイを記憶しているためである。
(2) 1:1000の割合の孵化場の排水のニオイを識別できる。
(3) 遡上試験でのフェニルエチルアルコール(薔薇のニオイ)も誘引物質の一つである。
(4) 水槽に母川水を入れて泳がせても、遊泳活動(群れが散る、速度が上がる)には特に差は認めない。
Q4魚の腐敗臭はどれか選びなさい。
(1) トリメチルアミン
(2) メチルチオヘキシルイソチオシアネート(6-MTITC)
(3) 酢酸イソアミル
(4) γ-ウンデカラクトン
正解はQ2は3、Q3は4、Q4は1です。
ちなみにQ4の他の答えは2:わさび 3:バナナ 4:桃です。
究極のニオイ試験となると、やはりソムリエ試験ということになるのでしょうか。受験はできないとしても、実際の試験問題を見てみたい気はします。