Sweet Smell 4・5月号

九州新幹線が3月12日に開通し、鹿児島は新幹線の号名である“さくら”一色である(こういうご時世にてややトーンダウンですが)とともに、桜開花の季節でもあります。

サクラは300〜500品種あり、そのうちの33種に比較的強い香りを認め、123種類の香り成分が発見され、クマリン(桜餅の葉)、スイート、フレッシュ、グリーン(青葉からでる青臭い香り)、パウダリー(粉白粉)、フルーティーの6種類の表現用語があるそうです。

しかし全国的に有名なソメイヨシノはほとんど香りがしないため、全てのサクラにニオイが無いものと誤解されており、昔は香りのするサクラを匂桜(ニオイサクラ)と呼んで区別していたそうです。

またサクラからは0.008%(生花換算)の精油を得ることが可能ですが、採油率が低く、採油方法の難しさもあるため、商品化はまず困難であり、そのため人に対する心理・生理作用についての研究報告も特に見当たらないとのことです。

都市緑化かごしまフェア“花かごしま2011”のメイン会場である吉野公園にて、今年も懸命にソメイヨシノを嗅いで見ましたがニオイを感知するのはやはり難しかったです。またサブ会場(ふれあいスポーツランド)では珍しいダイアンサス“ワインショコラ”(Dianthus wine chocolat:チョコレートの香り)と、ヘリクスムスイタリクム(Helichrysum italicum:カレーの香り)を嗅ぐことができました。

参考文献:
香り選書1 サクラとウメの花の香り/堀内哲嗣朗 (フレグランスジャーナル社)
サクラの花の香り/堀内哲嗣朗 (日本アロマセラピー学会誌第13回プログラム抄録集)

PS:この度は東日本大震災のお見舞い申し上げます。それこそ放射能は“ニオイ”が無いので被災地においては不安のことと思います。一日も早い復興を願っております。