先日、3年ぶりに味と匂学会に参加してきました。北九州は20年ぶりで、ホテル、モノレールなど、すっかり小倉駅周辺は様変わりしていました。会場は北九州国際会議場で、懇親会のあるリーガロイヤルホテルに宿泊しました。
- シンポジウム“嗅覚系とステロイド” 嗅上皮に発現するグルココルチコイドレセプター
高野澤美奈子先生(自治医科大学)
- グルココルチコイドにて嗅細胞がアポトーシスに陥り、そのため基底細胞のターンオーバーが増殖することを実証することにより、ステロイド点鼻液が嗅覚障害に奏功するメカニズムが解明された貴重な研究だと感じました。
- 嗅覚障害モデルマウスに対するdrug delivery systemを用いたbFGF局所投与の効果
能田淳平先生(愛媛大学)
- bFGF(basic fibroblast growth factorの略で神経栄養因子の1つ)の将来の臨床化を目指す研究と言えると思います。
他大学でリサーチのノウハウを習得された先生のバイタリティは特筆ものです。
- Narrow-band imaging(NBI)による味覚障害の舌乳頭観察
小林正佳先生(三重大学)
- 本来、喉頭を観察するNBIを舌表面の観察に応用。茸状乳頭の扁平化、毛細血管の流入像などが通常の顕微鏡よりも、より鮮明に識別することができます。
さすがに高価(300万円ほど)なので、当院に導入は困難でしょうか。
2年ぶりに近くの居酒屋での嗅覚飲み会に参加し、総勢20名ほどで、におい・嗅覚について語り明かしました。芋焼酎は鹿児島でも手に入りにくい銘柄が幾つか揃っていました。
東原和成、柏柳誠、小早川達先生などといった今まで嗅覚研究に関連する論文、書籍でしか、存じ上げていない御高名な先生方と直にお話しすることができて貴重な経験となりました。