Sweet Smell 6・7月号

今回はKTS(鹿児島テレビ)の“げっきん!かごしま”(毎日月〜金14:05〜14:30)の取材撮影の様子、オンエア後の感想について触れてみます。オンエア10日前に突然、局から依頼のTELがありました。今回の企画の趣旨は“香り”ということで、コルテーヌ(アロマスクール・雑貨店)からの紹介でした。

インタビューで、まず嗅覚のメカニズムについて問われ、ニオイが嗅粘膜に受容されると、化学物質が電気信号に置き換わり脳に伝達され、識別されると述べましたが、オンエアでは鼻から脳へ伝達される様子のフリップが用意されて理解しやすかったと思います。次に嗅覚が損なわれておこる弊害について尋ねられ、ガス漏れ・火事の煙が判別できなくなり生命の危険があるということ、加えて風味障害も生じる可能性があると答えました。続いてレポーターの方を相手に、鼻咽腔ファイバーでの嗅粘膜の撮影でした。幸い(?)右嗅裂部が開存しており、しかもオンエアでは画像上、嗅裂部に“→”が付いて視聴者にも一目瞭然だったと思います。

基準嗅力検査ではレポーターが臭いニオイに大げさに反応してさすがだなと妙に感心しました(注:本人はただ実際に臭かっただけと)。しかし検査が進むに連れ、段々会話に乏しくなり、つい「Eのニオイはスカトールといって糞便愛好者の“スカトロ”の語源になっています」と語ってしまい、その部分はさすがにオンエアではカットされ反省しきりでした。またオンエアでは“今回は撮影なので特別に(時間)短縮コースで”とのテロップが出て、番組スタッフの病院への心遣いを感じました。続くスティック型嗅覚検査でも選択用図表をカメラ位置を気にしながら時間をかけて見せ、ゆっくり話すよう心がけました。番組最後は当院の“匂いと香りのセミナー”までPRしてもらい充実した内容でした。

今回の撮影で感じたのは、構成上テロップ・スーパーを駆使すると、だいぶ視聴者の方々も共感しやすくなるということ、撮影時間はだいぶかかる(今回は2時間)がオンエアではかなり短い時間(今回は約10分)であったり、撮影中常にコメントし続けるのは意外と難しいということなどです。しかしながら嗅覚・アロマが少しは世間に浸透したのではと良い思い出になりました。