先日大分香りの博物館に行ってきました。別府・鉄輪温泉近くの豪華な建物です。
1Fは香りプロダクトギャラリーです。
香りファクトリーでは龍涎香はマッコウクジラ、ムスクは麝香シカ、シベットは麝香猫のニオイであることを学びました。隣には世界の香水ギャラリーがあり、パフューマーが調和剤、保温剤、変調剤を用いてオルガン台(これらを並べた様子がパイプオルガンに似ているため)にて調合する模様が記されています。また各種香水が色や形に分類されて端麗にディスプレイされていましたが、懸念されがちなニオイの混在は厳密に遮断されていました。テラスにはミュージアムショップやカフェ、ハーブ園などが備えられています。
2Fは香りヒストリーギャラリーです。
香りの歴史が古代エジプトからアールヌーボー時代まで紹介されており、没薬(もつやく:樹液を自然乾燥させたもので、ミイラ作りに役立つ)で知られるエジプトや、香水の町として有名なグラース(南フランス)には憧憬の念が募りました。
古代日本における香りに関する品として、皮手袋に香りが染み込んでいる香手袋、一定量の線香を燃やして時間を計る香時計、線香のルーツで、竹のまわりに練った香の粉末を塗った竹芯香、衣装に香りを移すための籠である伏籠(ふせご)などが展示してありました。他にはゲームの一種である三種盤(競馬盤 矢数香、名所香)や練香を焚いて香りの優劣を競う薫物合(たきものあわせ)が印象に残りました。
3Fは調香体験工房やアロマルームです。
香水の作り方を丁寧に指導してもらいながら、家内と各々香水を調香、作成しました。またアロマルームでは、革張りの椅子で照明が落とされている中、いい香りを静かな音楽の中で堪能できました。
以上の様に、香りの歴史から香水の原料、調香の方法まで、各方面から掘り下げた興味深い博物館でした。また再訪しようと思います。