◆平成19年7月27日(金) 味と匂学会参加記
先日、日本味と匂学会第41回大会に参加してきました。この学会は16年前、味と匂のシンポジウム時代に、口演(T&Tオルファクトメーターによる嗅覚閾値とSIT及びPEA閾値検査との相関)した思い出深い学会です。
26日(木)は羽田到着後に飯田橋にある“香りの図書館”を訪ねました。2005年に開設され、学術誌から文庫本まで6000冊もの匂い・香りに関する書籍が閲覧できる、おそらく日本唯一の香りのライブラリーではないでしょうか。
アロマサイエンスシリーズ21を3冊([5]においと行動遺伝・医学、[7]香りの機能性と効用、[9]香りの研究エッセイ)購入しました。
奥の会議室では各種セミナーが行われているそうです。
翌27日(金)の学会会場は都心部からやや離れた江戸川区のタワーホール船堀でした。当日の演題発表は全てポスター形式で、演者との質疑応答は1時間という設定でした。
中でも印象深いのは金沢大学耳鼻咽喉科からの演題で、嗅覚同定能力測定法OSIT(スティック型嗅覚検査)における最適な1臭の選択法の提案でした。
すでに12種類のうちより、バラ、蒸れた靴下、カレーの3種類は全検査と相関していることが立証されており、今回は中でもさらに正答率の頻度分布に対する相関係数より1種類を選定するという内容で、カレーがそれに相当するとの結果でした。言い換えれば、カレーが正解できた被検者は他項目正解者よりも全12問の正解率に最も優れており、カレーを誤答した被検者は全12問の正解率が他項目正解者よりも劣るということです。
将来的にはスクリーニングとして活用する目的にて学校検診・職場検診にて容易に施行(聴力検査でいえば、簡易聴検に相当)され、その後精密検査として基準嗅力検査を施行するという図式が出来上がるものと思われます。上記の旨を金沢大学耳鼻咽喉科助教授の三輪高喜先生より聞かされ納得・感銘しました。
その他東京ドームでの野球観戦、銀座での“久兵衛”寿司などまさに充実(?)した出張となりました。