スギ花粉の嫌な季節が過ぎたと思ったら、梅雨の季節ですね。当院入り口にある青いあじさいが大きな蕾をつけ始めました。
当ホームページの“ニオイ・香り”コーナーとSweet Smell 12-1月号“ニオイ・香り”とで、全国の耳鼻科にて通常施行されている 2つの嗅覚検査、すなわち基準嗅力検査と静脈性嗅覚検査について述べて来ましたが、今回は最新の嗅覚検査について触れてみたいと思います。
その検査はスティック型嗅覚検査と言い、基準嗅力検査と同じく被検者がニオイをかぎ分けるという識別検査の1種です。
従来の基準嗅力検査は、試薬の匂いが、生ゴミ・糞便・バラ・モモの香りなどやや画一的で、具体的な答えを表現しにくいニオイであるという難点がありました。しかし、この新しい検査の試薬は、日本人の日常生活に馴染みの深いニオイに変更されています。具体的には、納豆・墨汁・蒸れた靴下・練乳・ひのき・カレー・材木・メンソレータム・みかん・炒めたニンニクのニオイです。この試薬の名前を聞くだけで検査をしてみたく(ニオイを嗅ぎたくなる?)なりませんか。
解答方法は4択になっており、13種類の問題中の10個以上の正解が正常レベルとのことです。
この検査は今のところ保険適応外ということもあり、全国の耳鼻咽喉科に普及するのはまだかなり先となりそうですが、私は個人的に、興味がありますので、当院の導入を検討中です。