Sweet Smell 12・1月号

今回のSweet Smellは、匂いに関する医学的な話、嗅覚検査(きゅうかくけんさ)の話をしてみます。

嗅覚検査とはその名の通り"におい"がどの程度分かるのかを見分ける検査です。

検査には数種類の方法がありますが、ここでは一般的によく行われている2種類の検査についてお話します。まず1つ目は、基準嗅力検査についてです。これは、5種類の異なる匂いを嗅ぎ分ける検査です。

詳しい検査内容は、当院のホームページ "ニオイ・香り"の欄に掲載されていますので、そちらをご覧下さい。

もう1つは、静脈性嗅覚検査といって、アリナミンというビタミンB1の薬液を静脈から直接体内に注射し、何秒で匂いがし始めたのか、またその持続時間はどれぐらいかを計測する検査です。ちなみに、アリナミンは、ニンニクや玉ねぎの様な匂いがします。

この検査は、嗅神経がどの程度作用しているかを反映しており、そのため全く匂いがしない(スケールアウト)という場合には、改善の度合い(予後)が悪いと言えるでしょう。

利点としては、検査時間が約5分間と簡便であることと、全国の耳鼻科で一般的に行われている検査である ということです。

欠点は、注射であるために当然ですが、痛いということと、1種類・1濃度であるため、嗅力低下レベルの具体性に欠けるということでしょう。そのため、当院では上記2者、すなわち基準嗅力検査と静脈性嗅覚検査の併用を薦めています。