5年ぶりのアロマセラピー学会参加
私が本学会学術総会の実行委員を福岡で担当したのが令和元年で、翌年よりコロナ禍が始まったため4年間もWEB開催でした。今年は5年ぶりに対面開催となったため一般演題を発表してきました。
会場は昭和医大上条記念館で演題は「コロナ後遺症の嗅覚障害に対する嗅覚トレーニングの実際」です。下記に抄録を記します。
- 目的
- 嗅覚障害の治療の一つとして、バラ、レモン、ユーカリ、クローブの嗅素を用いた嗅覚刺激療法があり、嗅覚障害ガイドラインにも記載されている。しかし精油の使用は導入が困難であるため嗅覚トレーニングの現状を報告するとともに同治療の必要性を啓蒙する。
- 方法
- 対象は令和3年〜6年までに新型コロナ後遺症による嗅覚障害と判断した患者156名(男性49名、女性107名、平均46.9歳)。当院で陽性判明が40名、他院が115名であり48名に自発性・刺激性異嗅症を認めた。陽性日から嗅覚障害を自覚するまでの期間は、自覚なし3名、当日9名、翌日〜4日28名、1週間未満106名、1週間〜1か月未満5名、1か月以上5名。嗅覚トレーニングとして日常のにおいアンケート(炊けたごはん、味噌、海苔、醤油、カレーなど計20種類)を中心に日常生活における生活臭を頻回に嗅ぐよう指導した。1日における嗅ぐ回数、時間、時間帯などは特に定めなかった。
- 結果
- 初診時での基準嗅力検査における嗅力(平均認知域値)の程度分類は、正常2名、軽度障害25名、中等度障害64名、高度障害49名、嗅覚脱失16名。治療期間は当日のみ32名、2週間以内43名、3か月未満24名、3か月以上23名、通院中が33名であった。
- 考察
- 嗅覚トレーニングの効果の要因としてはシナプス前ニューロン(嗅細胞)に強い嗅覚刺激を負荷すると、シナプス後ニューロン(糸球体)に興奮性変化を起こして可塑性が誘導され嗅覚が回復されることが示唆されている。一方、アロマセラピーについては『医薬品ではない・金額が高い・香りに抵抗がある』に加え、本法では『においに飽きてしまう・上記4種の嗅素以外では効果がないとの思い込み』などの問題点があった。そこで身の回りのものを頻回に嗅ぐことが改善につながると患者・医療従事者に周知させる必要があると思われた。
質疑応答は日常のにおいアンケートの項目の中で最もよく効くのは?との質問がありましたが、できるだけ温かいものを嗅ぐということ、受動性嗅覚(事前の視覚情報なしに自然と漂ってくるにおいを認識する嗅覚)を意識することがより大切だと返答しました。
三井ガーデンホテル汐留イタリア街はなんと温泉があり早朝から癒されました。リーデンボルグ(錦糸町)でハラミステーキ&ハンバーグをランチした後、訪れた新国立競技場はやや期待はずれで、神宮外苑の銀杏並木はまだ紅葉でないのに銀杏が臭かった(臭い成分:酪酸とエナント酸)です。東急大井線、東急池上線、総武線など色々乗り継ぎましたが、最寄りの駅からどこでも結構歩くのが段々苦痛になってきました(苦笑)。
アロマイベント協賛
ウエルFes!(24年10月姶良市)の広告を協賛し、また当日も参加してきました。
主催者の永田江利加Nsや、川路美穂さんらボランティア総勢7名で後日慰労会を開催しました。