第70回 平成29年11月9日(木)19:00〜21:00
嗅覚外来と臨床におけるアロマセラピー(参加者15名)
イルコルティーレ(福岡市中央区)



▼スタッフの皆さんと

スタッフの皆さんと

平成18年より開催している当院セミナーも福岡での開催は5回目を迎えます。今回は天神にあるイタリアンレストラン イルコルティーレに会場を代えて開催しました。

▼柴田美雅先生

柴田美雅先生

今回は産業医大耳鼻咽喉科准教授である柴田美雅先生に「嗅覚味覚専門外来の現況」を御口演頂きました。
毎週木曜の午前中に専属の検査技師と行っており、濾紙ディスクによる味覚検査では甘味、塩味、酸味、苦味の他に独自で“うま味”を作成して検査しているのは特筆すべきことと思いました。あと亜鉛だけでなく、他の微量元素、肝機能、腎機能、血糖値なども採血されていることも参考になりました。
私も「アレルギー性鼻炎に対するティートリーを用いた温熱療法」を福岡では初めてプレゼンしました。

▼グラッパドルチェット

グラッパドルチェット

イタリアハムのトマトクリームパスタが美味しかったお料理の後は、恒例の匂いと香りのクイズです。香りを嗅いでどのように感じるか独自に表現するクイズで、決して銘柄当てクイスではありません。
@南国を思わせるソテツ・パパイアAウイスキーB青くまだ熟れていないブドウC酸っぱそうで青々しいが中は甘いD緑色のブドウと梅E仕込みたての焼酎FラムレーズンとチョコレートG杏をつけこんでスモーキイーにHラム酒・イチジクに木のスモークを加えた、など今回も非常に感受性豊かな返答を皆様から頂きましたが、店長さんの独断で「煙・小学校の地下のマットやボールが置いてある体育倉庫」の佐賀医大耳鼻咽喉科鈴木久美子先生が優勝されました。
これらの文章表現のみでお分かりになる方はまずいないと思いますが、答えは「グラッパドルチェット」です。

グラッパはイタリア特産の蒸留酒でブランデーの一種で、ワインを蒸留して作る一般的なブランデーとは違い、ポマースと呼ばれるブドウの搾りかす、すなわちブドウの果皮、種、ワイン果汁の残りなどを発酵させたアルコールを蒸留して作ります。蒸留とは溶液を蒸発させて再び凝縮させることで沸点の違う成分を分離・濃縮させ、アルコール度数を高めるために行う作業のことです。水は100℃、お酒の主要アルコールであるエチルアルコールは78.4度が沸点です。つまりアルコールを含んだ液体の温度を上げていくと水よりも先にエチルアルコールが蒸発するのでこの蒸気を集めて冷やせばエチルアルコールを多く含んだ、すなわちアルコール度数の高い液体が得られるという訳です。
グラッパは樽熟成を行わないので無色透明で度数は40℃、食後酒としてよく飲まれ、イタリアで作られたもののみがグラッパと呼ばれます。ドルチェットとはピエモンテ州のブドウの品種名です。ちなみにリキュールは果実酒から作った蒸留酒に果実やハーブを加えた混成酒です。

▼記念写真

記念写真

12月に開催予定の日本アロマセラピー学会九州地方会を九州地方会会長の河村康司先生が宣伝され、パンフレットを参加者に各10〜20枚ほどお配りし、最後に集合写真を撮影して終了としました。

帰りの新幹線の都合で参加者の方々を見送ることができなかったのは心残りでしたが、食事会形式において最年少の小学生の参加があったこと、アクセス改善の影響か北九州の方々に多く参加頂けたことなどは今後に向けて収穫でした。