第64回 平成28年11月24日(木)19:00〜21:30
震災とアロマセラピー(参加者9名)
ラ・カロッツア(福岡市南区)



▼サーモンと野菜のテリーヌ

サーモンと野菜のテリーヌ

平成18年より開催している当院セミナーも福岡での開催は4回目を迎えます。

今回は今年4月に熊本でおこった大地震を福岡の方々にも現況を把握してもらい、またアロマセラピーの役割を再認識し合おうと「震災とアロマセラピー」をテーマにしました。

今年5月より計4回、日本アロマセラピー学会主催にて熊本震災ボランティアが熊本県益城町で実行されました。その活動に中心的立場で参加され、今年の日本アロマセラピー学会総会では同シンポジウムで、地震で体験した事や活動内容を御報告された松本外科内科看護師の西別府友香さんに今回のセミナーでもパワーポイントで発表してもらいました。

▼各自自己紹介

各自自己紹介

西別府御夫妻自身も実際に被災され、驚愕するような写真が多数スクリーンに映し出されました。ボランティア時におけるトリートメントですが、当初はゼラニウムやペパーミントを効能を考慮して使用していたが、ニオイに対する苦情があったため、柑橘類系の精油に変更した経緯があったそうです。しかしそれでも回を重ねるごとに施術を受ける男性が増えていったそうです。

続いて田川市民病院副院長で緩和ケア内科医でもある河野康司先生に追加コメントを頂きました。最近、トリートメント実施した際の深部静脈血栓の発症の可能性が危惧されています。病状発症には出血した際の凝固に関わる物質であるフィブリンが関与しています。そのフィブリンの線溶現象時の分解産物(FDP:フィブリン分解産物)における4種類のうちのひとつがD-dimerです。これを事前に採血して測定すれば塞栓症の重症度が判り、トリートメントが実施可能か否かの判断材料になることを述べられました。他には70歳以上や睡眠薬内服中の方は控える、雑魚寝よりもベッドの方が塞栓発症の予防になる、という事などを教わりました。ただやはり下肢よりも上肢のみのトリートメントの方が無難なようです。

▼ボランティア報告

ボランティア報告

今回は全ての料理において熊本産の食材を用いたメニューをお願いしました。熊本水前寺菜、熊本産さつまいも、阿蘇自然豚などの地元食材を、全国的な野菜高騰にも関わらず揃えて頂きました。

恒例の「匂いと香りのクイズ」は、アップルパイの“シナモン”の香りとソルベの素材である“アールグレイ”を2つとも正解した柿原奈保子様が優勝でした。私はロイヤルミルクティーをイメージしましたが多くの方がベルガモット(アールグレイの主な香り)と答えるなど少し易しかったようです。シナモンの方は他にレモン果汁、オレンジリキュール、クローブ、アーモンド、ナッツ類などの返答がありました。

今回は久しぶりにお1人ずつ自己紹介を行うことができ、お互いにゆっくりお話が出来たと思います。今後も福岡での開催を継続し、より多くの方々にご参加、御発表して頂きたいと思っています。また上述の日本アロセラピー学会主催の熊本での震災ボランティアは土曜開催が多いためかまだ私は参加できていません。今後も2ケ月に1回ペースで実施予定だそうで最低1回は参加することが来年の抱負です。