Sweet Smell 08-09月号

今回は新型コロナワクチンの話題です。

まず本年4月頃に自身、当院スタッフは接種しました。

次に患者さんへのワクチン施行ですが、市HPで開示すると予約がパンクすること、また逆に予約が少ないとワクチンを無駄にすること、接種後の副反応が懸念されることなどへの検討を重ねて毎週月・水の午前中、1日あたり1本で6月下旬より接種開始としました。時間外に接種枠を設けている医療機関もありますが、当院では診療と並行して実施しています。マスコミへの告知もせず、院内のポスター掲示と、かかりつけ患者さんや、クラスター発生しやすい天文館の飲食店へのお声掛けをするに留めています。

当初はキャンセル待ちとして数人に声かけしましたが「ワクチン施行日の月・水は仕事を入れないでおきます」との返事を頂き恐縮して、今は完全予約のみの受付としています。最も懸念していたアナフィラキシーショックは今のところ0人です。予約枠も順調に埋まり、あとはワクチン保管において大雨、雷での停電だけが心配です。

国を挙げてのワクチンの接種促進は判りますが、そのための金策(週に〇〇人接種した医療機関には患者一人あたりの請求料増加など)が少し極端すぎやしないかという気がします。

案の定、ワクチン品薄となり7月下旬のある日は、県からは前述した促進策の案内が、一方、市からは希望通りのワクチン供給ができなくなったので各医療機関あたり半分量に減らすという案内が、各々当院にFAXされてくる始末でした。年齢順に接種する当初の予定をなし崩しにしたり、打ち手不足ということで、医師、看護師以外の職種の方々を動員したり、予約が殺到してシステム障害をきたしたりした大規模接種や職域接種は不要だったと思います。

一方、V-SYSなどのネットワークや申請書類において厚労省や自治体の方々には当方の不備でご迷惑をおかけしました。鹿児島市では接種券が届いていない優先接種の方に対する「接種券を保持しない方のワクチン接種報告書」がありFAXすると数日後には医療機関に届く管理体制で有用でした。が、鹿児島市接種予約システムはこれからの予約だけでこれまでの記録が保管できないのはやや不便な感もあります。

先日、鹿児島県保険センターで集団接種してきました(写真)

医師は2人のみで、5時間で各々150人予診票をチェックし15分待機か30分待機か振り分けるのが主な仕事です。個人的には一律30分待機でもいいのではと思いましたが、キャパの関係や人流が悪くなるなどの問題があるのかなと感じました。

さすがに接種当日に嗅覚障害を訴えている方はいませんでしたが、緊急時の対応は救急ボックスがあるだけで、特にマニュアルは設けていないようでした。意外と待ち疲れ感があり、これなら手慣れている通常の診療や炎天下のゴルフの方がまだマシというのが率直な感想です。

この原稿執筆時点(R3年7月末)で全国的にコロナウイルス新規患者数は過去最多を更新しついに第5波に突入です。ロックダウンできないというなら、うがい、手洗い、鼻うがいの他は“ガチ”にマスクをするしかないと思います。すなわちニュース、ドラマ、バラエティ、スポーツ、食事など全てにおいてマスク着用を義務付けることしか国民にインパクトを与える方法はないと思います。

次回はいよいよSweet Smell 100回記念です。