長女の秋休み(10月9〜12日)に家族3人でベトナムへ旅行してきました。初めは香港を予定していましたが、周知の通りデモの影響を懸念して行先を変更した次第です。意気揚々と到着した我々を出迎えた最初のにおいは東南アジア特有のじめじめした湿気あるニオイと、大量のバイクによる排気ガスの臭いでした。
ホーチミンは意外や人口1000万人の大都市です。写真は宿泊したロッテ・レジェンドホテルの部屋からの景色ですが、高層ビル群、サイゴン川沿いの熱帯雨林、バラック小屋などが混在して見えるというまず日本では見られない風景に感動しました。
ドンコイ通りでアオザイ(正装用のベトナム民族衣装)を皆でオーダーメイドし、バッチャン焼を購入した後は、ベンタイン市場に行きました。ここは1万uに2000ものお店が出店しているホーチミン最大の市場です。案の定、一歩足を踏み入れた途端、ご存じの方はおなじみの生肉、干した魚、革製品、お香、ドリアンなどが入り混じったバザール独特の臭気が此処彼処に充満していて、殊更、小学4年の娘は困惑した表情を浮かべており、帰国後なぜか「一言で言えばレーズンの臭い」と評していました。私もこのニオイは好きにはなれませんが、喧噪の中でのエネルギッシュな雰囲気は発展途上国ならではですので、市場自体は各国旅したとき必ず訪れるほど好きです。また街中のコンビニに入っても野菜と香草とが入り混じった結構強烈なニオイがしていました。
翌日は港町・ミトーでメコン川クルーズを楽しみました。小舟で渡った川はドブ臭いというより汗臭い臭いでした。他には観光客歓待用のジンジャーキャンディー、ベトナムコーヒー、コメから製造された焼酎の香りが特徴的でした。
ベトナム料理を代表する料理がフォーなら、食材は何と言ってもハーブでしょう。ドグダミ、ノコギリコリアンダー、バジル、パセリなどがありますが、私の一押しは香菜(シャンツアイ)すなわちコリアンダーです。セリ科の植物でタイ語でパクチーとも呼び、葉はピネン、デカノール、ノナナール、リナロールなどが香り成分で独特のニオイのためか、和名はなんとカメムシソウです。大好きなのですが、東南アジアで食べる時に比べると日本では少し香りに違和感を抱いてしまいます。
他にはチェー(ベトナム風ぜんざい、鹿児島人的にはベトナム風白熊)のスイートな匂い、ニョクマム(ヌックマム:イワシを塩漬けにして作る)の日本の醤油よりもサワーな匂い、空飛ぶおこげ(コムニュウダップ:アツアツの土鍋を客の目の前でハンマーで割り、中のおこげご飯を数m先に飛ばしてキャッチする店員のパフォーマンスが有名)の芳ばしい匂いなどが印象に残りました。食べ物以外では家内はプルメリアが鮮烈な薫りがすると気に入った様子でした。
いつも帰ってからガイドブックを改めて見直してはあれこれ食べれば良かったと思い直すのですが、今回はことにおいに関しては充分、お腹一杯(お鼻一杯?)なホーチミンの匂い&臭いの旅でした。