第51回日本鼻科学会総会(幕張H24 9月)
敬称略。小早川先生以外は全員、耳鼻咽喉科医師。
- T&Tオルファクトメーターの自動化に関わる流体制御技術の開発
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産業業技術総合研究所 小早川達
タッチパネル式、排気は活性炭で室内への漏洩防止、高圧ボンベは使用しない、
配管部は無臭空気で連続的に洗浄など、かなり斬新で画期的な内容となっています。
- オープンエッセンスを用いた喉頭摘出者における嗅覚機能評価
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京都桂病院 上田俊雄
オープンエッセンス(和光純薬)を7名に施行し、通常法が平均0.3点(12点満点)に対し、
吹き付け法(カードの気体をシリンジで吸い取り鼻内に吹き付ける)は平均3.1点だった。
- 嗅覚外来における一次医療の重要性
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内海病院 小林英治
3年半で35例に対して、検査・治療を試みて良好な結果を得た。
→小豆島のような僻地にても施行していることで、嗅覚に対する熱意を感じました。
- 当科における外傷性嗅覚障害21例の検討
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広島大学 石橋卓弥
独自の治療法である注射器を用いてのケナコルト局所点鼻治療を実践中。
→嗅裂部開存目的として中鼻道へのボスミン綿棒3本の留置法を御教示頂きました。
- IgG4関連疾患における嗅覚障害の検討
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金沢大学 中西清香
ミクリッツ病、キュットナー腫瘍など10名のうち、6名に嗅覚障害を認めた。
→嗅覚障害発症との因果関係の解明が待たれるところです。
- 嗅覚障害に対する点鼻ステロイド療法の比較検討
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慈恵医大 森恵莉
呼吸性嗅覚障害にはナゾネックス点鼻液が、嗅粘膜性嗅覚障害にはリンデロン点鼻液が各々有効であった。
→模型を供覧しながらの発表で、アピール度に長けていました。
- 妊婦・授乳婦の鼻アレルギーに対するティートリー蒸気吸入(アロマセラピー)
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当院院長
この研究デザインにした理由、
ティートリーを選択した理由などの質問を受けました。
前日は友人とピエール・ガニエール(全日空ホテル36F)に舌鼓を打ち、学会懇親会後の嗅覚飲み会にも参加しました。
また今回は合間をぬって、弁護士の小森榮先生を訪ねました。小森先生は東京都脱法ドラッグ対策検討委員会委員を歴任し、「あぶないハーブ−脱法ドラッグ新時代―」の著者でもあります。
脱法ハーブとは簡単に説明すると乾燥植物片に合成カンナビノイドなどの化学成分を添加したものです。麻薬や覚醒剤などと類似した作用があるのに規制薬物の成分を含んでいないので、ユーザーが勝手に「合法ハーブ」と呼んでいましたが、身体への悪影響などを配慮して、一時は「違法ハーブ」と提唱されるようになりました。
がしかし、法的に取締りの対象になっていないことより、厳密には「違法」とは呼べないので、グレーゾーンの意味も含めて、現在は「脱法ハーブ」「脱法ドラッグ」と言う名称が使われているそうです。
来年のアロマセラピー学会学術総会(熊本)の特別講演をお約束頂きました。