先日、南日本新聞で曽於市末吉町の民家にあるメラレウカの開花がピークを迎えたという記事を読み、 珍しいと思いその日のうちに現地まで見に行きました。私がこれほどまでに入れ込む理由は当院でアロマセラピーとして使用しているティートリーはメラレウカ アルターニフォリアというフトモモ科の植物から精製される精油だからです。
片道1時間かけて降り立つと、民家の庭先に真っ白な綿帽子というか、 鮮やかな新雪が積もったように聳え立つ木々が目に留まりました。新聞によるとオースラリア原産の常緑樹で、綿毛のように細く柔らかな花の特徴から英名でスノーインサマー(夏の雪)と呼ばれ、初夏の風に乗って甘い香りが漂ってくるそうです。25年前に苗を譲り受けて、年々大きくなってきており、現在は幹周り1m60cm、高さは6mもあるそうです。それまでティートリー(メラレウカ)というと、小さなプランターでの葉しか見たことが無かった私には新鮮でした。
ここのご主人にお会いして、お話を伺いたかったのですが、あいにく留守でした。 そのため写真だけ撮って名刺を置いて帰ったところ、数日後に、また来年以降もお越し下さいとのお電話を頂きました。今回は滞在時間が10分のみであり、また1年間のうちで梅雨前の1週間程のみの開花かと思うと、七夕の彦星と織姫の出会いの様な神秘性、1週間しか生きられない蝉のような儚さなどを感じました。是非来年は家族で、その後は当院セミナーとして再訪したいと思います。そのうち本場オーストラリアに訪れた際には現地のアボリジニー民族にティートリーの臨床効果について私の方から逆に経験伝承したいです。
今回日本アロマセラピー学会誌に論文を投稿しこの度発刊されました。 タイトルは「妊婦・授乳婦の鼻アレルギーに対する、ティートリーを用いた蒸気吸入の有用性」です。
内容は常にこの欄で述べているので割愛します。
論文執筆は久しぶりで、且つ耳鼻咽喉科以外の学会誌は初めてだったので戸惑うことも多く、労力を要しました。それより数回も追加・修正が必要となり、査読の先生方にはご迷惑をお掛けして恐縮する次第でした。
アロマセラピーを始めた頃は生涯のうちに1つでも書ければと思っていただけに、予想より早い時期での論文寄稿が達成できて、少し肩の荷が下りた気がします。
一仕事終えたばかりですが、今は8月の京都での国際アロマセラピー会議へのポスター発表の準備に追われる毎日です。 それが終了したら9月の日本鼻科学会(千葉)発表、来年10月の日本アロマセラピー学会総会(熊本)の実行委員長としての始動が待っています。