日本耳鼻咽喉科学会(京都H23年5月)
嗅覚・アロマの主な演題を以下に挙げます。
- 「嗅覚がストレスを緩和する脳内メカニズムーラットストレスモデルを用いた検討」
- 産業医大耳鼻咽喉科 柴田美雅先生
- 雄ラットのケージに同性ラットを投入してストレスを与えたコントロール群と、同じ条件下でラベンダーの香りを負荷したラベンダー群とを、ストレスホルモン(CRFとAVP)の発現を蛍光二重免疫染色法にて検討したところ、両群にて差を認めた。
→本学会でのアロマ、しかも基礎系の演題だったので新鮮でした。終了後、先生とお話する機会があり、同じ九州なのでアロマ学会九州地方会をお誘いしました。
- 「嗅覚障害スクリーニングに有用な嗅素の検討」
- 金沢医大耳鼻咽喉科 志賀英明先生
- カード型嗅覚同定能力検査(Open Essence)で各嗅素ごと、12臭全体などの成績相関を検討したところ、感度+特異度が高かった嗅素はバラ、墨汁、家庭用ガスであった。
→スティック型嗅覚検査ではカレー、バラ、蒸れた靴下でしたが、今回は対象群の年齢、性別などの差異が、前回と異なる結果だった要因ではとのことでした。
- 「パクリタキセルによる嗅神経障害に対する加味帰脾湯の予防効果」
- 金沢医大耳鼻咽喉科 山本純平先生
- マウスのコントロール群と、加味帰脾湯群、各々に抗癌剤であるパクリタキセル(タキソール)を静脈投与したところ、HE染色やTL-201の鼻腔・嗅球移行度において両群で差を認めた。
→当帰芍薬散と同様、NGF(神経栄養因子)が効果発現の有因だそうです。
松栄堂本店にて"季の香"を購入しました。沈香、白檀、練香、印香の4点セットのお香です。そのあとは瓢亭にて懐石料理を頂きました。本来は葛餡で有名な朝粥を食べたかったのですが・・。
鹿児島県地方部会総会(鹿児島H23年6月)
- 「鼻アレルギーにおけるティートゥリー(アロマセラピー)の有用性」
- 当院院長
- アロマに関する演題を耳鼻科の学会で発表するのは初めてでした。そのため、導入の理由、これまでの経過、アロマの啓蒙活動などをふまえた口演内容としました。
ティートゥリーを抗菌作用として、副鼻腔炎への応用はどうかという質問の他、鹿児島大学耳鼻咽喉科の黒野祐一教授からは芳香作用というよりティートゥリー自体の薬理作用と言っていいのではないか、また研究デザインとしては主観が入るのでクロスオーバー法がより好ましいのではとの御意見・御指摘を頂きました。今後の参考にしたいと思います。