Sweet Smell 6・7月号

今年のGWは家族3人で台湾旅行(3泊4日)に行ってきました。

初日は龍山寺へ。必死にお祈りする多くの参拝客を見ながら、濛々と焚かれるお香の香りを嗅ぐと、香港、ソウル、カトマンズなど過去のアジア旅行を思い出しました。

2日目は朝から列車・バスを乗り継ぎ、『千と千尋の神隠し』の舞台になった(きゅうふん)に行きました。露店が立ち並ぶ狭い路地を歩いていると、随所に甘い匂いが立ちこめており、匂いを辿ると、名物の鳳梨酥(パイナップルケーキ)の匂いでした。それとは別に少し化学薬品のようなニオイが。これは杏仁の匂いでした。杏仁とはバラ科のアンズの種子で、外側の固い部分を取り除いた柔らかい核の部分のことです。主成分はオレイン酸などの不飽和脂肪酸で、Vit.B17であるアミグダリンも含まれています。夜に杏仁豆腐を食べましたが、日本のよりも少し歯ざわりの強い胡麻豆腐のような触感でした。

3日目は問屋街でもある迪化街へ。乾物(なまこ、あわび、フカヒレ)や漢方などの“臭い”に包まれた街でした。中でも香木の店では数種類もの白壇、沈香、伽羅を嗅ぎ比べ、1時間以上も居座りました。白檀1gあたり5NT$(New Taiwan doll、1NT$ = 4円)なのに対して沈香の最高級とされる伽羅の1等級(全7階級)は1gあたり3000NT$もするとのこと。妻に促され、約3万円分と少し高い買い物をしました。

滞在中、ホテル(昌華飯店)のエレベーターに乗る度にいい香りがするのでフロントで尋ねると、最上階のスパで過ごした人の香りがエレベーターに残るのだと。そこで、スパに行き、何の香りかと問うと、返事は"Orchid"つまり蘭の香りでした。今回一番のお気に入りの香りでした。蘭のアロマ用精油は意外と見たことありませんが、香りを例えるとサンオイルを薄くしたような? しかしこの表現ではいい香りには思って頂けなさそうですね。

他に台湾名物で印象に残ったニオイは豆漿(豆乳の朝ご飯)、香菜、そして噂の臭豆腐(さほどニオイはきつく感じませんでした)などでしょうか。日本とは異なる異国情緒ならぬ異国香緒(?)を思う存分堪能したと思います。