第28回 平成22年11月26日(金) 19:30〜22:00
“ガーリックと香り”実践編(天文館 カセッティーナ)

年1回恒例の食事会形式として44名の参加者で開催しました。料理の前に、ニンニクのニオイ(アリナミン注射液)を利用した検査である静脈性嗅覚検査に関するミニ講義を行いました。



▼黒にんにく

黒にんにく


▼料理実演

料理実演

▼にんにくとマスカルポーネの
パンナコッタ

にんにくとマスカルポーネのパンナコッタ


今回はアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの料理実演を行いました。
『ニンニクはスライスでなくチップで』
『パスタは茹でる時のみ塩味をつけ、茹で時間はフライパン上までを考慮する』、など教わりました。

また参加者全員の香り当てクイズとして、真鯛のヴァポーレのソースはニンニクと何かを出題し、正解はアンチョビー(バーニャカウダ)でした。早押し正解者1名の方にはお店より黒ニンニクがプレゼントされました。

他の料理は黒ニンニククレマのコンソメ、黒毛和牛のカルパッチョとニンニクソース、和牛ほほ肉赤ワイン煮込みとニンニクピュレ、ニンニクとマスカルポーネのパンナコッタなど、まさしくガーリック尽くしで、馥郁たるニンニクの香りを堪能しました。
しかし翌朝、私と参加したスタッフらは皆からかなり臭いと言われてしまいました。自分のニンニクのニオイというものは、やはり気づきにくいものだと改めて自覚しました。


最後にセミナーの配布資料より簡単に記します。

語源 アングロサクソン語のGarleacに由来。
Garは槍、Leacは植物の意味で、葉が槍のように尖っているため。
学名 Allium sativum L
科名 ユリ科ネギ属
精油の採油部位と製法 鱗茎を水蒸気蒸留
採油率 0.3%
香気主成分の変化 アリイン(生)→アリシン(切る・潰す)→ジアリルジスルフィド(熱処理後)
滋養強壮作用 VitB1の吸収促進よりアリチアミンの生成。
医薬品としてアリナミン(プロスルチアミン)
その他の効用 脂質低下作用、血圧効果作用、抗血小板作用、血糖低下作用、抗菌作用
関連する文献

ガーリックの香気成分による抗癌作用
- 有賀豊彦(日大生物学部)AROMA RESEARCH 34より

ジアリルトリスルフィド(DATS)が10μM以下の低濃度で癌細胞の増殖抑制あり。

確かな風味を感じさせる香り
- 堀内政宏(高田香料)AROMA RESEARCH 43より

油で揚げたニンニクは100度でフレンチフライ、醤油様の甘い香り、130度でロースト様香気。